「自分の親は毒親」と認めるのは、”自分の自然な感情”を肯定するためのファーストステップ その1

毒親育ち

毒親育ちは長年、素直な感情を出すこと、いえ、持つことすら毒親に禁じられてきました。

自然な感情を出せないというのは、自然な感覚で、感情を持った人間として生きられないということ。本当につらく苦しいことです。

毒親育ちが大人になり、私の親はどうやら毒親だった。毒親のせいで、こんなに生き辛くなったんだ‥という気づきを得ることができたとき。

他の毒親育ちの経験談を目にして、こんなことを思ってしまったこと、ありませんか?

この人は私よりずっと大変な親を持って、大変な目に遭っている‥

だから、

私なんかこのレベルで辛いって言っちゃいけないんじゃないかな

私の親はおかしい。そのおかしい親から、私は嫌なことをずっとされてきて、ずっと嫌な思いをしている。

でも‥

他の毒親育ちと比べると、私なんて辛かったけど辛いって言ってはだめなんじゃないかな?と、人との比較によって、自分が感じることや思うことに対して自然と禁止をかけてしまうんですよね‥

毒親によって自分の感情を出すことを許されなかったために、自分の感情を簡単に否定し、ギュッと抑え込んでしまう長年の癖がついてしまっている。

それが、毒親育ちの生き辛さを増幅させるのですよね‥

この生き辛い癖を自分から取り除くためには、ここで思い切って「私の親は毒親だった」とまずは認めきってみる。

もし認めることが大変だったら、「一時的にだから」、と決めても大丈夫だと思います

認めた上で、あの時の自分は毒親の仕打ちのせいで辛かった、苦しかったんだ、そして今でも辛いんだ!と自然にわきでる自分の思いを認め、受け止め、肯定することに少しずつ慣れていくんです

このレッスンを少しずつ行っていくことで、長年失われていた”自分の本当の感情を認め、味わい、肯定する”という、一人の人間として生きる大切なことを取り戻せるのではないかな?と思うんです

スポンサーリンク

毒親育ちが自分の親を毒だと認めきれない理由

不幸な毒親家庭の不幸パターンは千差万別

すべての幸せな家庭は似ている。
不幸な毒親家庭は、それぞれ異なる毒パターンで不幸である。

この言葉、どこかで似たようなのを見たことあるな‥?と思った方もいらっしゃるかと思います。

SNSなどでもよく引用されていますよね

これはかの有名なトルストイ作・「アンナカレーニナ」の冒頭部分。それをちょっともじってみました

元は「すべての幸せな家庭は似ている。不幸な家庭は、それぞれ異なる理由で不幸である。」です

アンナ・カレーニナの法則 - Wikipedia

幸せな家庭は似ているけれど、不幸な家庭が不幸になる原因・成り立ちはそれぞれ違う。とトルストイはいいます

不幸な家庭形態の一つである毒親家庭というのは、原因こそ「毒親」という共通性があるのですが、

家庭内でのメンバーへの毒の出し方や利き方、悪影響の及ぼされ方などは本当に様々で、まったく同じ!というケースは見当たらないんです

例えば、望まれない第一子長女(私のことです)と待望の男の子、しかも末っ子長男では、同じ毒親生まれでも毒の注がれ方は大違いでしょう

ひどい毒親家庭であっても、心の支えの存在のやさしいご近所さんや学校の先生がいて、いつも励ましてもらえた経験の有無や、

生まれ持った感受性の違いでも、受けるダメージというのは大違いだと思います

一言で毒親被害と言っても、その表出の仕方って千差万別なんですよね

私はこのことが、毒親育ちがこれまで耐えてきた毒親の苦しさや辛さをしっかりと認めきれない一つの原因になっていると思うんです

たとえば、他の毒親育ちが書いた、自分とはタイプが全く違う毒親体験談を目にしたとき。

この経験談と比べると、
自分の親なんて、その辛さなんて、辛いなんて言えないかもしれない‥

だったら「自分は毒親育ちだった、辛かった、親が嫌い」だなんて、
そんなこと言っちゃいけないんじゃないかな‥?

毒親育ちの皆さんは、他の人の体験談を読みながら、こんなことを考えたり思った経験があるのではないでしょうか。逆にこう思ったことがない人は、いないと思います。

「この人に比べて、私なんて不幸って言っちゃいけない‥」と、自分の過去の辛さや苦労を認めることを、ストップしてしまうのですよね

自分の辛さ苦しさと比べて、自分の経験したことなんて、この人に比べれば軽いものだって思いこんでしまう。

だから、自分が辛い苦しいって考えちゃダメなんでは?って、いま感じている辛さや苦しさ、孤独感などの気持ちをむりやり押し殺してしまうんですよね

毒親被害というのは、受けた体験やそれを受けた人の感受性などは千差万別であり、人と比べようもないものなのです。トルストイが言うように、ですね

でも‥どうしても、目にする違うタイプの毒親体験談を、「自分は大変だったって思っちゃいけないんじゃないだろうか‥?」という、自分の感情否定の材料にしてしまいがちなのですよね

スポンサーリンク

毒親育ちは”自分の自然な感情を否定し、抑え込む”ことが悲しいほどうまくなってしまっている

その上、厄介なことに、毒親育ちというのは、自分からわきあがる自然な感情を殺すことがとっても上手になってしまっています。

なぜなら‥毒親家庭で長年、自分の感情を出すことを許されなかったためです。

私たち毒親育ちというのは、生まれ育った毒親家庭では、毒親から自分の素直な感情、とくに辛さや苦しさをそのまま感じること、表現することを禁じられてきました

私の場合、物心ついたころに、よく毒親から言われていた言葉というのは

  • うるせえ黙れ!
  • 泣くな!
  • お前はいつも生意気なことばかり言いやがって

すべて、私の発言や行動、感情の発露を禁じたり、否定するものばかりですよね

毒親育ちは、家庭内で自分の感情を素直に出すと、毒親から怒鳴られ、時に暴力を振るわれることで強く否定されるのですから、

生まれ落ちてしまった毒親家庭で生き延びるためには、自然に湧き上がる感情は出してはダメなんだ。と悟り、自分の感情を出したり認めることを止めるんですすべては生き延びるため。

実際に、親から怖い目に遭っているのに、それを怖かったと思うことや言う事が許されなかった。

実際に、親から辛い目に遭わされていることを辛いと、親のことが嫌いなのに嫌いだと、思うことや言う事が許されなかった。

だって素直な感情を出してしまうと、自分の命を握る圧倒的権力を持つ毒親に、一体何をされるかわからないのですもの…

感情を出すよりも恐怖が上回り、感情を抑え込み、否定するしかなかったのですよね‥

「親孝行しろ=お前の感情や幸せなんて二の次だ!」という社会通念が毒親を強力にアシストする

その上。

嫌だ・辛いと思うことを許されないどころか、本心では大嫌いで恐怖の存在である親に対して、「親を大切に」「親孝行」という外部からの感謝や親孝行という”一般的でとってもきれいな社会通念”も毒親を強力にアシストし、毒親育ちを追い詰めます。

このように、私たち毒親育ちは、長年何重もの抗えない苦しい重い圧をかけられ続けることで、自分の感情を押し殺すことを強要されてきたんですね‥

こんな状況で長年生きざるを得なければ、自分の本当の気持ちなど、抑えてなかったことにすることなんか朝飯前レベル。悲しいくらいに上手になってしまうに決まってますよね

私の親は毒親だ、と、まずは認めてみる

このような悲しい性質を持ち続けながら、必死で生きてきた毒親育ち。

この性質を、自分から追いやる=自分から自然にでてくる感情を認め、受け入れるようになれれば、どれほど生きやすくなるでしょうか。

そうなりたいですよね。

そのためには‥自分に害を及ぼしてきたあの毒親は毒親だった。

毒親たちにひどい目に遭ってきた、今だって苦しんでいるんだ!ということを、否定せず抑え込まずに、まずは認める作業が必要だと思うんです

  • 自分の毒親は、私にとって毒だった。現在も悪影響に苦しむくらいの猛毒。
  • 毒親からの、昔のあの数々の仕打ちは辛かった、苦しかった

これをしっかりと心の中で認めることというのは

自分の感情を認め、そのまま感じること

ここに深くつながっています

「自分の感情を大切にする」「自分の感情を素直に口にする」ということは、毒親育ちが長年、毒親や、奴らを無駄にアシストする社会通念からの圧によって決して許されなかったことでした。

でもこれらは、一人の人間として生きる上で欠かすことのできない、必要不可欠なことですよね。

自分が生まれてから現在に至るまで、様々な手を使って子供を振り回し、深く重く苦しめ続けている毒親。

  • 彼らは私にとって毒親だった
  • 毒親は私に、ひどいことをたくさんしてきた
  • 私は彼らが恐ろしくて嫌いだったし、今も大嫌いなんだ

このような自分から自然にでてくる素直な感情を認め、味わい、肯定するということ。

心身を長年抑圧されてきた毒親育ちには、なかなか難しいことです。

でもこれは、毒親育ちが、毒親からの長年にわたる心身の呪縛から離れ、毒親から自分の人生を取り戻すため、これからを一人の自立した人間として生きるために、とても大切なことなんじゃないかな、と思うのですよね

長くなってしまったので、次に続きたいと思います
その2では、

  • 親を否定すること・認めることは子供にとってはとても辛く困難なこと
  • 「大人になった普通家庭育ちは、親のことなんか全然頭にない」という驚愕の事実

こんなことを書いていきたいと思います

コメント

タイトルとURLをコピーしました