私のうつ病が長期化・重度化してしまった理由

うつ病

うつ病って治るの?

はい。適切な治療と休養を取れば、うつ病は一年以内に治る人がほとんどなのだそうです!

しかし…実は私は、うつ病になって10年以上が経過しています。

しかも、診断された当時は重度と言われ、入院が必要と診断されるほどの重いうつ病でした。中にはこんな人もいるんです。

なぜ私のうつ病は、10年以上も長引いてしまっているのか?

理由は一つ。治さなきゃいけない!と焦ってしまったからなんです…

こちらの記事で、その経緯を詳しく記していきたいと思います

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私のうつ病悪化、長期化の理由

うつ病は、適切な治療や休養をすれば、1年以内に治るといわれているそうです

【満岡クリニック】うつ病・治療編|代表的な病気
横浜市中区の満岡クリニック(心療内科・精神科)では精神分析療法、力動的カウンセリングに加えて、認知行動療法を導入しております。

未治療の場合、うつ病は6〜12ヶ月続いた後に自然に軽快するといわれています。適切な治療をうけた場合は、多くが3〜6ヶ月で回復します。

横浜市心療内科 満岡クリニック サイトより引用 https://www.mitsuoka-clinic.com/depression2.htm

実際、私が初めて心療内科を訪れた時も、主治医に「うつ病は普通に治るからね、大丈夫だよ」と言われました

しかし…私はうつ病の軽快と悪化を繰り返し、かれこれ10年以上もこの病気と共に生きています…現在も、うつ病にとって治ることと同じ意味である、寛解、ということを主治医には言われていません。定期的に心療内科に通い、薬を飲んでいます。

私はなぜ、長くうつ病が治らないのでしょうか?

その理由ははっきりしています。それは、うつ病の完治を焦ったためです

うつ病なんか、早く治さなくてはならない。焦る日々

うつ病を発症した当時は、これからは仕事ももっとがんばりたいし、子供も産まなければならない。うつ病になんかなってる暇ないんだよ!そんな心境でした

それに、うつ病の薬って依存性高いって聞くから、飲み続けるのが怖い。そんな恐怖でいっぱいでした

妊娠した時は、体に薬が入っていないきれいな状態でいたい。そのためには、うつ病なんて体から少しでも早く排除しなきゃならない!

当時の私には、うつ病が自分の体内にいることなど、一瞬たりとも許せない状況でした

しかし…聡明な皆さんならご存じですね。うつ病は、焦りが一番ダメなんです

私はその一番ダメなことをひたすらやり続けてしまい、すぐに治るはずだったうつ病は悪化、10年以上もの間、慢性化してしまったんです

うつ病を発症してからの、大きな焦りによる、私のだめ行動の負のサイクルがこちらになります…

うつ病発症後の、私のダメ行動・負のサイクル
  1. 「うつ病なんかに負けない!」と、妊活や仕事をますます頑張る
  2. 無理がたたってうつ病が悪化する
  3. どうがんばっても動けなくなり寝込む
  4. 少し良くなれば、焦って再び1.に戻る

ひとつずつ、くわしく見ていきたいと思います

「うつ病なんかに負けない!」と、妊活や仕事をますます頑張る

最近なんだかおかしい、何をやっても、やる気がパワーが出ない。そう悩んで、生まれて初めて心療内科を訪れました

初めて訪れた心療内科は、待合室がたくさんの人であふれていました。こんなにメンタルで悩んでいる人が世の中にはいるんだ…その驚きを覚えています

他の病院と違うところは、人がたくさんいても、室内は静まり返っています。みんな下を向いて黙っているんです。内科の待合室のお年寄りのように、おしゃべりを楽しむひとはいません。

長い長い待ち時間の後、やっと名前を呼ばれ、診察室に入りました

医師に自分の状況を話しているうちに、辛さの余り涙がボロボロと流れました。そんな患者さんはたくさんいるのでしょう。診察室にはたくさんのティッシュと大きいゴミ箱が用意されていました

ひととおり話し終わった後、主治医は私にこう言いました

「あなたは少し、ここに通わなければならないよ。薬も少し飲んでもらうことになる。」

そう心療内科医に言われたときのショックは大きかったです。しばらくその事実を受け止めることはできませんでした

なぜかというと、私はこれから仕事もがんばりたいし、子供もそろそろほしい。いや、がんばらなきゃ仕事を失うし、子供はこのタイミングでどうしても、絶対に、産まなきゃならない。つまり、この時、自分の人生にはうつ病というものが存在してはならなかったんです

特に子供については、実家の親からほんとうに執拗に催促されていました。この時の、親との関わりから感じられる違和感から、自分の親はかなりキツい部類の毒親で、このまま関わり続けると自分は潰されてしまうのではないか…?という気づきや確信を得ることとなるわけですが…その経緯については、別にくわしく記事にしています

この頃の日記を見ると、

  • 「いつになったら心療内科と縁が切れるのか?」
  • 「いつになったら薬を飲まなくて済むのか?」
  • 「この薬は何日間くらいで体内から消え去るか?
    (妊娠していた場合、胎児に悪影響があってはならないから)」

・・・そんなことばかりを必死に主治医に確認していました

無理がたたってうつ病が悪化する

仕事に妊活にうつ病治療。客観的にみると、うつ病患者にとって、明らかに背負うものが多すぎます

うつ病とは、心身がダメージを受けて「もうこれ以上、この調子で動くことはできない。休養をしてください」という体からのサインなのに、私は逆に、たくさんの荷物を抱え込んでいた状態だったのです

当たり前にうつ病は悪化しました

具体的に出てくるうつ病悪化のサインとしては、これまでなら何も考えずにできた仕事や人との関わり、そして家事などが、どんどんできなくなるんです

スーパーで何を買ったらいいかわからなくなってしまい、数時間立ち尽くし、心配した夫に迎えに来てもらうこともありました

次の日の仕事のことが心配で、一晩中眠れなくなってしまい、一睡もしないままに仕事に出かける日も少なくありませんでした

このような日が続くと、できることが減り、普通の生活自体の辛さはどんどん増していきます。

主治医にこれらの自分の変化を訴えたところ、診察の頻度と薬の種類が増えました。そして、仕事のセーブ、または辞職をすすめられてしまいます。うつ病の悪化です

どうがんばっても動けなくなり寝込む

悪化と共に、体は動かなくなり、仕事を辞めて家で引きこもり、体を横にするだけの毎日が続きます

普通だったら、数時間何もしない状態って、暇だな~って思うじゃないですか?

うつ病が重くなると、数時間なんてあっという間。それどころか一日、一週間…なにもしなくても時間が経ってしまいます。寝ているだけで何日も何十日も時間が過ぎていきます。恐ろしいスピードで、時間が溶けていくような感覚です

まわりの同世代の人たちは、仕事や子育てで充実した毎日を奮闘しているのに、私はただ暗い部屋でずっと寝ているだけ…このあまりの違いに泣いてばかりいました。自分が本当に情けなくて仕方ない。

でも、だからといって無理してがんばってしまうと、またうつ病が悪化し、ますますできることが減ってしまう。もう八方ふさがりです

考えると落ち込むばかりなので、処方された安定剤を飲んで、何も考えないようにします。そして動かない心身ができることといえば、ひたすら寝るだけでした

少し良くなれば、焦って再び1.に戻る

家で横になって休息をとり続けると、やがて少しずつ、心身は回復してきます。

  • ただ寝るだけしかできなかったところが、体を起こすことが出来るようになる
  • テレビを見るのは辛いけれど、音声だけのラジオくらいならたのしく聞くことが出来る

こんなふうに、心身をゆっくりと適切に休ませれば、症状は徐々に回復して、できることが少しずつふえてくるんです

しかし。

そこで…私は取ってはいけない行動を取ってしまうんです…焦りによって、また無理をかさね始めます

心には「同世代のみんなのように、仕事や子育てをしたい!」その強い気持ちが燃え盛っています。そのため、私は少しでも動けるようになると、すぐに仕事を探して就職したり、妊活を始めてしまいます

やがて無理が生じ始めると、再び暗雲が立ち込めてくるんです…睡眠がとれなくなり、思考が極度にネガティブになり…また、この負の繰り返しが始まってしまいます

うつ病患者がやってはいけないことを必死でやっていた

今、かつてのことを振り返ると完全にバカですね。うつ病患者がやってはいけないことをひたすらし続けています

でも、当時は必死だったんですよ…普通の人が普通にやっていることを、私だってやりたい。その一心でした

こうして私は、人が最も輝き、仕事や子育てなどの、様々な創造的な活動ができるはずだった長い時、うまく生きることが出来ずに、結局ほとんどの時間を、泣きながら寝込んで過ごすことになってしまいました

フレッシュな大根と、漬物のたくあんのような違い

寝たきりだった状態が、少しずつ、出来ることが増えてくるようになると、「私治ったんだ!よかった!」という大きな喜びと共に、最初こそ元気に活動することができるんですよ

しかし…うつ病を長い間、悪化や慢性化を繰り返してしまったような私のようなタイプは、以前のような状態で動けるようにはなれないんです。びっくりするぐらい、無理が効かなくなります

例えるならば、うつ病にかかったことのない人がフレッシュな大根だとしたら、慢性的にうつ病にかかり続けてしまっている私のようなタイプというのは、漬物のたくあんに変化してしまう。それほどの違いを感じます

かつての水分をたくさん含んだ、新鮮でみずみずしい大根だった私はもうどこにもいません。水分の抜けたしわしわのたくあんは、二度と、フレッシュな大根に戻ることなどできないんです

たくあん(うつ病にかかった人間)には、たくあんなりの幸せに生きられる生き方を模索するのが、幸せになれる最短距離であり、大切なことだったのです

それ以前に、発症してからは、無理せず十分な休養に専念していれば、私はたくあんにならずに済んだのかもしれません

しかし…私は無理をしすぎて、無理を繰り返しすぎて、しわしわのたくあん化してしまいました

そして、自分がたくあんに変化してしまったその現実をどうしても受け止めきれず、フレッシュ大根の人生にいつまでも執着し、必死で大根に戻るための、無理で無駄になってしまう努力を続けてしまっていたのです。

そして結果的に、無残に失敗して、うつ病は悪化。ますますしわしわで水分や気の抜けたたくあんになってしまった…という状態でした

そんな状態を何年も何年も続けてしまった私が、最近どうなっているかというと、うつ病が軽快化しているんです。なぜ、こんなしわしわたくあん化していた私が良くなってきたのか?その経過と現在の状態をブログの記事にまとめましたので、よろしければご覧ください

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