発症当時は重度と言われ、10年余りも私と共存することになった、私のうつ病。
実は、いまは症状が落ち着き、とても良い状態になっているんです
主治医からも「あなた、本当によくなったね」とのお墨付きをいただいています
どうして私のうつ病は、良くなったのでしょうか?
その理由として考えられることは、以下の3点になります
- 治さなければならない、と思い込むことをやめた
- いい意味で、普通の人生を送ることをあきらめた
- 食事、睡眠、規則正しい生活という、とってもありふれた体にいいことを整えた
この記事では、理由3つを詳しく見ていきたいと思います
私のうつ病が良くなった、その理由3つ
うつ病は、適切な治療と休養を取ると、ほとんどの人は約一年で治る、と言われているそうです
しかし、私の場合、10年以上もうつ病と共存してしまいました。私だけ、どうしてこうなった?そもそも、私はどうしてうつ病になってしまったのでしょうか?
そこのところは別の記事でくわしくまとめましたので、よろしければご覧ください
うつ病を発症後、軽快と悪化を繰り返し、何もできなくなってしまった長い時間。
何もやる気が出ずに、処方された薬を飲み、ひたすら寝込む日々が続きました。そのまま気の遠くなるような年月が過ぎ去りました。
しかしここ最近、そんな私に、徐々に明るい変化が訪れてきたんです!
具体的にどんな明るい変化が起こっているのか?その一部を記してみると、
- 日中、起きて活動できる時間が増えた
- やりたいことが次々と見つかって、挑戦するパワーが出てきた
- 1日3度の食事をとり、早寝早起きの規則正しい生活ができている
どうですか?まるで人が変わったような変化ですよね
長い間、家で寝るだけ、動けばうつ病の悪化を繰り返し続けていた私が、なぜ、ここまで回復することができたのでしょうか?
その理由は明確に3つあります。一つずつくわしく記してみたいと思います
治さなければならない、と思い込むことをやめた
うつ病と診断されてからの私は、「治さなきゃない」「治らなきゃいけない」と思うあまり、焦ってあれこれ行動を重ねました。具体的には、うつ病を早く治さなきゃないと思いながらも、希望する妊娠や仕事の継続などをぜったい叶えたい、と思うあまり、無理をしてがんばってしまいました
たくさんの「しなければならない」を自分に強いる。これは、自分の心と体に、とても辛い無理を重ねている状態だったのです。
なぜかというと、うつ病になるということは、心身が悲鳴を上げ、疲れ果てて休息を求めている状態なんです。そこにがんばり続けるというのは、疲れ切った心身をますますいじめているようなものです
そんな行動を続けているうちに、結局私のうつ病の症状は、治るどころか悪化しました
私は、結果的に「うつ病を治す」とは全く逆の方向に爆走し、うつ病悪化の方向に向かわせていたんです…
じゃあ、逆に「もううつ病なんて治らなくていいや」って思えばいいんじゃないの?
そうだね…文章にすればとっても簡単です。しかし、この心境にたどりつくまでには、本当にたくさんの時間がかかりました
何年も、うつ病の軽快と悪化を何度も繰り返し、いい加減、疲れ果てた私は、
もう、うつ病治らなくていいや。
治そうとがんばっても悪くなるばかり、できなくなることばかり。
もう疲れた…
なんなら、一生お前(うつ病)とはつきあっていくよ…
そんなふうに、だんだんと、あきらめ、開き直りに近い心境になったんです。
そうすると、どうなったと思いますか?
「〇〇しなきゃならない!」というたくさんの思いこみを一切なくしたことで、心に余計なストレスがかからなくなったおかげでしょうか?気持ちの落ち込みはどんどん減り、心身共に、生きることが少しずつ楽になってきたんですよね。
治そうともがけば悪化し、治らなくていいやと開き直ると症状が良くなる。なんとも皮肉が効いてて、うそみたいなお話だと思いませんか?でも、これは実話なんです
うつ病実録マンガ「うつヌケ」ーうつ病とうまく付き合っていく
治そうともがくのではなく、うまく付き合っていく…漫画家・田中圭一先生が描くうつ病実録マンガ「うつヌケ トンネルを抜けた人たち」に、同じようなことが描かれていたんです
「うつヌケ」は、うつ病を発症した数々の有名人へインタビューし、その経過や現在の様子などが、とても面白く、わかりやすく漫画化されているんです。たくさんの人の、「うつ病実録マンガ」です
余談ですが、インタビューした漫画家さんの絵のテイストに合わせて、描かれる絵が変化しているんですよ!このイタコ漫画家といわれる田中先生の絵のタッチを見るだけでも、とっても楽しめる作品なんです
こんなたのしい漫画を描く、たいへんな才能にあふれた田中先生も、実は長くうつ病を患っているんです
田中先生がうつ病の苦しみにもがいた中でたどり着いたのは、「うつ病を自分から追い出す努力に力を使うのではなくて、うまく付き合っていく」という心境でした。
この部分を読んだとき、自分とおなじ心境にいる人がいるんだ…驚きと共に、安心感を得ました
うつ病を体内から排除しなければならない!という考え方や生き方とは、これまで無理を重ねてがんばって、結果自分自身をうつ病に追い込んでしまった、「〇〇しなければならない!」その考え方と方向性が同じということなのでしょう
うつ病は、どこまでも無理は禁物。無理をするくらいなら、うつ病とうまく付き合い、なんなら飼いならすくらいのほうが、よほど自分の心身には負担がかからず、これ以上のうつ病の悪化を防ぐことができるのかもしれませんね
急がば回れ、ということでしょうか。
いい意味で、普通の人生を送ることをあきらめた
私がうつ病を一刻も早く治したかった理由とは、普通の人が普通にしていることを私もしたい、その一心からでした。仕事や、妊娠、子育てなど、みんなが適切な年齢で、普通にしていることを、私もどうしてもしたかったんです
しかし、うつ病発症後、もがけばもがくほど、私が「希望する普通」からはどんどん遠のくばかりでした
さきほど記したように、私はうつ病を治ることをあきらめたことで、皮肉にも、うつ病の症状は軽快してきました。
しかし、治ることをあきらめるということは、私の大きな希望だった、普通の人が普通に行っていることをあきらめる、ということも同時に受け入れなければなりませんでした
妊娠を、子供を持つことをあきらめる
特に妊娠出産というのは、体のタイムリミットがシビアに設定されています。何より問題なのは、うつ病治療のために投薬中の薬は、妊婦の体にはあまり良くない、とされているものばかりなんです
その上、仮に妊娠や出産ができたとしても、その後は子育てという、大変責任を伴い、エネルギーを大量に必要とする大仕事が続きます。
長引いたうつ病にメッタメタにやられて疲れ果てて、薬を飲んでやっと生きているような自分には、妊娠・出産・子育てという長期間にわたる大仕事は、現実的に無理。助けてくれる人もいない。(親は毒親なので、助けるどころか逆に足を引っ張る存在です)
残念ですが、その結論に至りました。
仕事をあきらめる
同時に、「普通に仕事ができるようになる」こともあきらめました
うつ病発症後、ストレスへの耐性がとても弱まってしまいました。例えば、以前ならスルーしたり気合で乗り切れた様々なことが、大ダメージとなって自分の心身をむしばむようになってしまいました。
そんな中でも、無理やり仕事を続けていくうちに、どんどんおかしな状態になります。
例えば睡眠がうまく取れなくなって寝ずに出勤したり、情緒が不安定になってちょっとのことで落ち込んだり、突然涙が止まらなくなったり…とにかく、いろんなことがおかしくなってしまいました
やがてうつ病は悪化という診断が下り、薬が増えますが、私は増えた薬を飲み続けながら、それでも仕事を続けようと必死になります
しかし…無理した状態はそう長くは続きません。やがて限界がきて仕事をやめることになります。普通の人が普通にできていることを、思うようにできない自分を責め、悪化したうつ病によってひきこもり寝込む日々が続く…
状況は良くなるどころか、悪化するばかりです。すこしうつ病がよくなれば、再び仕事に挑戦しては、またうつ病が悪化して倒れる。そんなことを繰り返してしまいました
再チャレンジする力が尽き果てて、今の自分には、普通に仕事をするということは無理なんじゃないか?その現実を認めるしかありませんでした
普通の人が普通にすることは、私には無理だった。これ以上、むだなあがきはやめる。子供を持つ、外で働く、という自分の願いはあきらめました
しばらくは何も為せない自分の情けなさに落ち込みました。
しかし、がんばることを何も抱えず、なにもしないでぼんやりとする状態が続くことで、心身は休息を取れていたようです。徐々に動けるようになり、できることが少しずつ増えました。
叶えたい希望を実現させるためには、「こうしなければならない」「これをしなければならない」様々なことを”しなければならない”という縛りがどうしても発生します
普通の人ならがんばって乗り越えることができることも、うつ病が慢性化してしまった私には、厳しくなってしまいました
どうがんばってもできないことをついにあきらめ、退却するというのは、数々の縛り・執着や無理な行動から、自分の身を離すということです。夢やがんばることをあきらめたことで、私はうつ病悪化のループからやっと離れることができました
食事、睡眠、規則正しい生活という、とってもありふれた体にいいことを整えた
規則正しい生活は、とっても大切です!
バランスの取れた、栄養のある食事をとりましょう!
規則正しい生活、栄養ある食事。大切なこととはわかりつつも、子供の頃から言われすぎてもはや聞き飽きたとも思えるフレーズですよね
聞き飽きているし、とても地味なことに思えますが、これらを実践することで、私のメンタル改善に抜群によい影響を及ぼしました
ただし、ある程度うつ病の症状が落ち着かないと、規則正しい生活をコツコツと行うということは不可能です。
まず、うつ病になると、体も心も思うように動きません。横になるだけ、なんなら生きているだけで精いっぱいな人間が、規則正しい生活をするなど到底無理な話です
まずはゆっくりと休養し、すこしの余裕が出てきたら、そこから、できることから始めたんです
最近、日中、起き上がれる時間が増えてきてうれしい。
明日はもう少し長い時間、起きてみようかな。
お昼ご飯はいつも、ゼリー飲料しか食べていないけれど、
これからはパンとか卵焼きとか食べてみようかな。
そんな一歩一歩を、すこしずつ積み重ねていきました
朝散歩で、心身が驚くほど回復した!
そして、私の心身の状態が加速度的に向上したのが、朝散歩を取り入れたことです
朝に起床し、朝の光を浴びながら、近所を歩く。たったこれだけですが、毎朝行うことで、心身の調子が驚くほどに良くなってきたんです
しかしこの朝散歩も、無理なく少しずつ、時間をかけてじっくりとできることから始めて、現在習慣化しました。決して無理は禁物です
別の記事では、私は、朝散歩を一体どのように自分の生活に取り入れて、習慣化していったのか?その経過をくわしくまとめていますので、よろしかったらご覧ください
まとめ
以上、私の重度のうつ病がよくなったその理由を、くわしく記してきました。ここで改めて一覧を見てみましょう
- 治さなければならない、と思い込むことをやめた
- いい意味で、普通の人生を送ることをあきらめた
- 食事、睡眠、規則正しい生活という、とってもありふれた体にいいことを整えた
うつ病と診断され、絶望の淵にいた私が、長い間もがき苦しんだ果てに得た、考え方や生き方です。
うつ病発症によって、叶えたかった夢や希望など、いろんなことをあきらめました。しかし、あきらめ、手放したことによって、今は、無理なくたのしく暮らせているんです。これは決してうそでも強がりでもなく、正直な感想です。
現実を受け止め、うつ病を消し去る努力に力を使うのではなく、この状況を受け入れ、現在できることを少しずつ取り組んでいく。楽しいと思える、小さなことを積み重ねていく。
こんな生活スタイルを続けることで、私のうつ病は少しずつ良くなったんです。
うつ病前、うつ病後。変わったこと
一つ言えることは、うつ病発症前と現在とは、大切に思うことや持っている目標などが、まるで別人のように変わった、ということでしょうか。
子供を産み育ててみたい、仕事で活躍したい。そんな、かつての大きな望みをすべてあきらめたことで、それ以後の、私の人生や人生設計はガラッと変わりました
現在は、自分の心が喜ぶようなことを日々行っています。例えばこの「ブログを書く」こともそうですし、興味のあることを見つけたり、勉強や読書をして、知識を深めることがとても楽しいです。朝散歩で外を歩く楽しさを覚えたおかげで、いろんなところを歩いてまわるのも楽しい趣味となりました
昔のように「こうならなきゃならない」と自分に無理を強要するような行動は、一切しなくなりました。
がんばってがんばって大きな目標を達成したり、みんなが普通にしていることを必死でやりたいと願ったり。そんな努力や目標設定ができなくなった今。
たとえ自分は、普通の人が普通にしていることができなくたって、誇れる何かがなにもなくたって、自分が心から楽しいって思えることをしていれば、もう私はそれでいいんじゃないかな、と心から思えるようになりました。
もがき苦しむ日々や寝たきりが長く続いた過去を思えば、ブログを書いたり散歩をして、「楽しいな」と思えるひとときがあるだけで、それだけでもう十分、と思えているんです
以前のような、心の力みが取れたと実感しています
私のうつ病との付き合いの歴史は、ご覧の通り、七転八倒、失敗だらけで恥ずかしいエピソードだらけなのですが…この体験談が、現在うつ病を患い、その付き合い方で悩んでいる方へ、なにか一つでもお役に立てれば幸いです
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