いわゆる就職氷河期と言われる2000年前後。
普通の人が普通に就職することがとても難しい時期でした。
当時、私のまわりでは、その中でも女性・四年大卒・浪人経験者はいい職に就くのはめちゃくちゃ大変だよ、と大っぴらに言われていたんですよ。今じゃ考えられないですよね?
ちなみにそのステータスをすべて兼ね備えていたのは他でもないこの私です
しかも私には、毒親育ちという負の重荷が体にぶらさがっていました。
親は子のサポートをする、という社会通念は毒親には適用されません。
就活に苦しむ私に、毒親は
大学まで行ったのにいい会社にすぐ就職が決まらないのはお前が悪い
平日も休日もなく必死に動き回る私に対して毒親は、
平日も休日もごそごそ動いててうるせえな!
こっちは気が休まらねえんだよ!
と、ナチュラルに無神経かつ攻撃的な言動を投げ続け、疲れた私の残り少ないHPをゴリゴリと削り続けました。
やっと就職できたその先はブラック企業。
私は引き続き、エネルギーをぐりぐりとしぼりとられる日々が続いたんです。
家庭と社会からボコボコにされ続けた私は、心からくったくたに疲れ果ててしまい、やがて普通に生きることができない人間となってしまいました。
この激しい疲労の後遺症で、何十年経ったいまでも、仕事をすることはおろか、生活を落ち着いておこなうことが困難な状態です。
長年心療内科や薬のサポートを受けて生きています
幸せな家庭を運営したり、仕事を年々着実に積み重ね、人や社会の役に立っている人たちをみるとほんとうにまぶしくうらやましいです。
私はマンガを読むことが好きなのですが、主人公が仕事を通して様々な人の役に立ち、そして主人公自身もスキルアップを重ねていく姿を描いたお仕事漫画は私の目にはまぶしすぎて、未だ正気で読むことができません‥
「アンサングシンデレラ」すきな漫画です。薬剤師として奮闘する葵さん。コミュ力高いし薬剤師という燦然と輝く国家資格を持って日々スキルアップしていくその姿。
でも。私には葵さんがあまりにまぶしすぎて、読んだ後になんかへんな脱力をしてしまいます‥こんな世界本当にあるの‥?
就職氷河期の苦しい就活をへて、ブラック企業で働くことになった、一人の氷河期世代である私。
そこには毒親育ちという不幸・不運が重なっていました。そのためたくさんのダメージが一挙に襲いかかります
無理をして必死に応戦していた私の心身はやがてボロボロになり、その後も後遺症によって日常生活を送ることすら困難になり、心療内科の世話にならないとだめな人間になってしまいました
一人の就職氷河期を生きた毒親育ち(私)のかつての必死の行動がみごとに空回りした様、そこでされてきた社会や毒親からの仕打ちの数々をここに記していきたいと思います
「あなたはずーっとママと一緒に暮らすのよ」幼い頃から子に呪いをかける毒母
まずは就活の前段階、毒親が幼い私にベッタリと塗りたくってきた下地・土台の話をしたいと思います。
毒母は、私が幼い頃からこんなことを言い聞かせてきました。
あなたは1人暮らしなんかしちゃだめよ。
この家でずっとママと一緒に暮らすの。
お母さんが働く子供は寂しそうでかわいそう。
あなたにはずっとママがそばにいてあげる。
子供のために、ママはお仕事やめて専業主婦してあげてるのよ
ママの夢は、この家からあなたを会社に送り出すこと。
ずっとあなたの食事や生活の世話をしてあげるからね。
こんな呪いの言葉の数々を幼い頃かけられ続けてきたんです。
とくに「子供のために専業主婦してあげてる」って背筋凍りませんか?仕事をやめたのはあんたのせいなんだよ!と母親の人生上の大きな選択を、子の存在のせいにするんですよ?
こんな重苦しい言葉をずっと言い聞かされてきた私はどうなったかというと、幼い頃から自然と
私はこの家から出てはいけないんだ。
一人暮らしは絶対にだめなんだ
こんな強烈な考えが私の心に棲み続け、そして私を幼い頃からしばるようになっていました。洗脳無事完了です。
そしていざ就職先を決める年齢となった時も、この呪いは強烈に私にこびりついていたんです
毒母からかけられた呪いの通り、一人暮らしが必須の地域の仕事は候補には入れず、実家から通える範囲にある会社を必死に探しました。
でも…就職氷河期に、そんな都合の良い職なんかありません。
あまりになさ過ぎて、やけくそで、一人暮らし必須の遠方の職場の試験を一度受けてみたところ、筆記試験が通って一次面接の案内が来たんです。
その結果を毒母に伝えると、「あなた、こんな遠いところに就職するわけないわよね?」「実家から通うのよね?」と圧をかけてきます。
長年の毒母からの洗脳と、親孝行教に囚われ続けていた私は、この遠方の会社の面接を辞退してしまいました‥
実家から遠い会社で働くと、母が悲しむ。私は実家を出てはいけない
親の意に反することはやってはならない。それは親孝行ではない
長年洗脳された脳によってこの判断が下され、私はせっかく筆記が通り、就職のチャンスだった面接を辞退したんです
しかし時は就職氷河期です。一向に職は見つかりません。
困った私は、「大卒向けの総合職ではなく一般職だったら、実家近くでも就職できるんじゃないかな?」と考え、家から近い会社の一般職を探し回ったのですが‥
一般職は短大卒業、もしくは高卒しか採用枠がありません、とどこからも門前払いを食らいました。
試験を受ける土俵にすらあげてもらえませんでした
このように、ただでさえ厳しい就職氷河期の就活だというのに、私は毒母からの「一人暮らし禁止。ママと一緒にいるの」という長年かけられてきた呪いという余計な制限を背負わされていたおかげで、就活はますます苦戦を強いられ、いつまでも不採用の中をさまよいました
バカげてますよね。
こんな毒親のクソみたいな呪い、無視してさっさと遠方の会社に就職すればよかったのにと思いますよね。
でも、幼い頃から十数年、毒親からずっと言い聞かされ続ける言葉というのはこのように強烈に人の心身を縛るんです。
毒親は恐らく、子が離れていく不安に耐えられないほどに自分のコアがグラグラの状態で、こんな呪いを幼子に吐き続け、子にすがり続けようと必死だったんです
親に笑ってほしい、親が幸せになってほしいと願うこどもは、そんな親のことを簡単に振り払えないんですよ‥
子の将来や幸せよりも、親自身の不安解消が最優先。
そのためには子を縛り付け、子の将来の幅をせまくすることを厭わない。
毒親の我欲最優先による子への呪い、としかいいようがありません
「就職が決まらないのは、すべて子の自己責任」だと子を責める毒親
就活中の私に毒父がよく言い放った言葉は
大学入れてやったんだから、就職ぐらい一人で決めろ!
それもいい会社な。
というものでした。
そしていつまでも就職が出来ないのは、私の自己責任、能力がないからだと責めるんです。
俺(毒父)は、俺は高卒で立派に就職できたのに、大学まで行かせてやったのに、お前は何だ情けないと、マウントたっぷりの説教を気持ちよさそうな顔をして私にぶつけていました
このときの毒親は、
- この当時は就職氷河期で、子供の同世代の多くの人が職に就くことに苦労を強いられている、という現状を知ろうともせず
- しかも自分は時代のおかげでいい思いをしただけなのに、それを自分の功績だと大きく勘違いをして「俺はすごい、お前はそれにくらべてだめだ」という的外れのマウントを、苦しんでいる子供にぶつけて気持ちよくなっていたんです
なんと愚かな、と呆れますね‥
あのときの毒父の勝ち誇ったような顔。今思い出しても猛烈に腹が立ちます。
社会情勢などの脳内情報アップデートを怠っている毒親
↑にも共通することなのですが、毒親は脳の情報アップデートを怠り、古くてカビの生えた脳内情報で子供を断罪し、責めたてました。
毒親が就職をした昭和は、若ければだれでも楽に仕事が決まる時代でした
そこから脳が更新されていないんです‥
苦しむ子に寄り添い、「この子はなぜ、こんなふうに苦しんでるのか」という部分に思いを馳せることで、若い人の就職がなかなか決まらないという社会情勢を知る努力もしない。
そして、「俺なんて高卒で就職楽に決めたのに、お前は大卒で決まらねぇのか!情けねえな!」と自分偉いすごい、それに比べてお前はだめだ、と決めつけて、苦しむ子にマウントをきめて気持ちよくなってる。
脳の更新が何十年も止まっていて、自分はえらいすごいと苦しんでいる子に追い打ちをかけるようなクソマウントをとっていい気分になる残念な人間。それが我が親なんだ‥
この時の言動によって痛いほどに思い知らされました
鼻の穴を膨らませてマウントを取る毒父を見て、「これが私の親か」と、悔しさと同時に情けなさが混じるような複雑な心境になったものでした。
長くなってしまったので、後半に続きます
コメント